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なんでこんなにオモロイねん! 〜忍びの国〜

いたくオモシロかった“のぼうの城”のに続き、読んだ“忍びの国”。その名の通り、今回の主人公は「忍者」でアル。もうそれだけでワクワク度200%アップですっ!
「忍者モノ」ってほとんど読んだ事ないけど、ってか無いかも。あたしが思う忍者像って、任務を遂行するクールな一匹狼だけど、仲間を重んじ主従に厚い…と、ひたすらカッコよく想像してたんだけど…(水滸伝の影響有り(笑)

「決して伊賀を攻めるでない」という信長の命に背き、伊賀攻めを行った織田信雄による天正伊賀の乱が舞台。“のぼうの城”でもそうだったけど、こうゆうマイナー史実を選ぶとこがまた渋い!
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ホントに彼らがこうゆう輩ばっかだったのかわからないが、とにかく伊賀モノ=忍者の描写がスゴイ。仲間はもちろん、親兄弟まで斬りつけ踏んづけ欺き、彼らが執着するモノ。それは「金カネ」。もぅ呆れ笑っちゃうほど欲深く、あさましい。あたしが思うカッコええ忍者像がガラガラと崩れ落ちてしまったわい。伊賀忍の末裔の人、怒らんかな?(笑)

“その腕、絶人の域”と呼ばれる主人公さえ、女房に頭が上がらない怠けもの。という、一癖もふた癖もある登場人物たちが、今回も大いに楽しませてくれた。一方、忍者モノの醍醐味である人間離れした必殺ワザや、忍びの流儀での決闘シーンというドキドキシーンもふんだんにあり、一気に読破。もちろん、この作者の事。相対する織田方の武将たちも、また素晴らしく魅力的に描かれている。

いやはや…こいは“のぼうの城”より、もっとずっとずっとオモロい!ではないか!?和田竜、あなた一体何者?あ〜ん!次作が早く読みたいっ!


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西條奈加の金春屋ゴメスや、畠中 恵の妖怪&若旦那シリーズなど、最近、気楽に読める時代モノが人気だそうだ。双方、そりゃ〜楽しくサクサク読める作品でした。ちょっと主旨が違うけど、和田竜氏の2冊も、これザッツエンターテイメント。

そんな中、久しぶりにどっかと腰が据わった歴史モンを読んだ。お家断絶で浪人暮らしとなった初老の武士の物語。貧しい生活の中で、しかし武士の誇りを捨て切れず、死に場所を探す彼を取り巻く運命とは…
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ビックリするのは、作者、好村兼一氏が、パリ在住、剣道八段の剣士ということ。この「剣道八段」というのは、合格率わずか1%の最高段位なんだそうだ。しかも渡仏したのが大学時代というから、異国で、この難関を、満足な稽古相手無しで得たのだからスゴイもんでアル。

デビュー作とは思えぬ重厚なプロット、すべらかな筆運び。そして、剣道の独り稽古で培ったであろう揺るぎない精神性が、文中にも溢れているように思う。異色の…というには失礼な、見事な処女作だと思う。
by giova21 | 2008-08-01 23:31 | 本なこと | Comments(0)

ラテンなジョバのお気まま日記♪


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