オカンの桜

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「お墓いらないからここに骨を埋めて」

山麓を切り拓いて市がつくった巨大な公園。
その斜面に、オカンは友人たちと一緒に1本の桜を植えた。
初めて連れて行かれた時、
それはまだ、新しい土にも空気にも慣れぬ、
小さくか細い若木だった。

「大きくなるまで死なんとってや〜」
なんて、その時は笑いあったけど。

あれから数年、数十年。

思えばずっと足を運んでなかった。
忘れてたわけじゃないけど、やっぱり忘れてた。
ここにオカンの桜があったってことを。

枝も幹もまだまだ小さいけど
オカンの桜は立派に生長してた。
オカンの桜はいっぱい花を咲かせてた。

その下で、オカンはとっても嬉しそうに笑ってた。
でもその背中は、あの頃より確実に小さくなっていた。

時は流れる。時は過ぎる。

オカンの桜、もっともっと大きくなぁれ。
オカンの桜、もっともっと花を咲かせ。
みなが集い、みなが笑う桜になぁれ。

だからアタシはいま誓う。
必ず、絶対、この木の下に骨を埋めたる、と。
オトンも一緒に。
そしていつかアタシも一緒に。

オカンの桜。
オカンの桜。
次の春まで、さようなら。
またみんなで会いにくるよ。
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by giova21 | 2010-04-04 23:26 | 今日のできごと | Comments(0)

ラテンなジョバのお気まま日記♪


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