厨房の悲劇
2007年 09月 13日
芝生の上を駆ける足音のように軽快で澱みないテンポ。闇から一転、場面はキッチン。その音の正体は、シェフが一心不乱にむしってる「鴨の羽」だとわかる。タイトルロールやオープニングがコジャレてると、否応なしに作品への期待が膨らみマス。
今日を逃したらチャンスはないっ!という水曜日。観ては戻って仕事し、また行って…と、事務所〜梅田間を1日3往復して行ってきましたよ〜映画。
ムタァ〜、ヴンダヴァ〜という聞き慣れないドイツ語が耳に心地イイ。極上の料理を囲み織りなされる人間模様は、しかしアメリカ映画のようなスマートなハッピーエンドではなく、ブラックユーモアを交えて紆余曲折(かなり笑った)。
なかなかの秀作だったんだけど、さぁ〜これからフルコースの締めもシメ!デザートの後の食後酒に甘い会話。というところで…
な、な、なんとっ!映写機が止まってしまったのだ!!この2人はこれからどぅなるのだ?!という、ホントに肝心要のキモの場面。画面も観客もピ〜ンって張りつめてる時デスよ!?
修復作業は2、3分で済んだが、その間、館内の電気がついて、せっかくイイ気分で見てたのに強制リセット状態。お詫びと共に映画が再開されたのだが、さっき切れた場面の次のシーンが終わったとたん、
な、なんやねん一体!?おいおい!コラ!座席で崩れ落ちる私。し、しかも、この2度目が再開された後、わずかワンシーンで映画が終わってしまったのでアル!!すなわち映画が終わるその最後の、ほんのわずかな、しかし最重要シーンでもある4〜5カットをコマ切れで見せられたワケ(TOT)エンドロールが流れ出した瞬間、わたくし思いました「コレは悪い冗談だ…」と。落語のオチもココまで酷くはあるまい。いやホント。
せっかく良い映画だったのに台無しでデス。私同様、他の観客も「イイ映画だったね〜」とは思い出さず、きっとこぅ記憶に留めるだろう。
「2回も止まってん。しかもすぐ終わってん」 と…。ああ〜悲劇。