刑務所なんだな〜と思う瞬間。
ココから一切の撮影はNGである。
ということで、施設内見学の様子は「文字中継」で!!
入ってすぐ、屋外に展示されている江戸時代に使用されていた木造獄舎が目に入る。
一瞬、映画のセットみたいに思うけど、実際使われていたものである。
年期の入った汚れにドキっとする。
続いて、狭いが案外快適そうな独房見本や、作業場などを順路に沿って見て回る。
全体像はこんな感じだ。
収容練が放射状に5つ伸び、その中央に監視練があり、さっきみた「修道院」(!!) に続いている。
ほんの一部しか見れてないが、とても広い上に重厚なレンガ建築が並んでるでしょ?
今にも両手両脚そろえて歩き出してくるんじゃないかと思った(^^ゞ
とにかくっ!!カッコいいのだ!
貴重な遺産だから某所から写真とってきちゃった。ゴメンなさいっ!!
と言いながら説明する……続ける図太いヤツ( ̄o ̄)
柱がなく、一直線に伸びる収容練は2階建てになっている(右上:1階)
このため、中央の監視所から5本全ての廊下を見通すことができるのだ(右下)
木造のドアはほとんどが当時のままらしく、部屋番号もタテ書き漢数字である。
また、2階廊下には明かり取りのすき間が設けられている(2階(左下)とその階下(右上)
中央監視練(左上)や2階にも天窓があり、収容練とはいえ、自然光に充ち満ちている。
これだけ窓が多い刑務所も珍しいそうで、山下が受刑者の心を慰めるために、
『刑務所建築』と対極の『神殿建築』の機能を取り入れたからではないかと言われている。
そらそうだよね。暗いより明るい方がいい。それも電気じゃなくお天道さまの。
という、美しさを兼ね備えつつ、機能的で、所内の人たちにも配慮した素晴らしい建築物なのだ!
ちなみに、設計者の山下啓次郎は、ジャズピアニストの
山下洋輔 の祖父でもある。
芸術家の血は受け継がれていたんである。
他にも珍しいところでは、職業訓練の一貫である「理容科」で、
実技実習の場として「若草理容室」という理容室が所内に設けられている。
イスや鏡など、まんま下町の床屋さん!ってな風情で、なんと一般の人も利用できる。
開設当時から約60年もの間、ジモティに愛されてきた理容室も
刑務所の閉鎖と共に、その歴史を閉じる。
歴代の制服も、古いヘルメットも、時計も、看板も、この後、どこに行くんだろう。
建物自体はまさか取り壊す事はしないだろうが、
どんな風に活用されるのか、まだ未定なんだそうだ。
ホテルが少ない奈良のこと。「監獄ホテル」なんて案も出てきてるそうだけど、
それもいいと思う。部屋はたくさんあるからね(笑)
ただし、変に手を加えられないよう、まず「重要文化財」に指定してほしい。
ってか、まだなってないの〜?!これだけ歴史ある建築物なのに〜!
健さんの映画で有名になった「網走刑務所」なんて、
旧建造物をまんま
博物館にして、今や観光名所になってるのに(行ってみたい!(笑)
しかもこっちは、今年、重文に認定された。
う〜ん!奈良もがんばるのだ!網走に負けてないから、全然。
生まれ変わる「その日」を、アタシは、本当に心待ちにしている。